2)GPS GPSとはGlobal Positioning Systemの略で人工衛星を利用して、どの場所、どの時間においても位置を正確に知ることのできるシステムで、光波式測定装置では計測不可能な遠く離れた沖合でも測定可能である。下記にGPSの各種方式を示す。 港湾・空港工事のおける測量作業の高能率化、高精度化に対応するため、運輸省第四港湾建設局が中心となり・リアルタイムキネマテックシステムが開発された。この方式の特長は陸上の基準局と船上あるいは構造物上の移動局から構成され、移動局は基準局からの位置補正電波を受信するとともに、人工衛星からの電波も受信し、二重位相差、初期化等を実施し、瞬時に正確な位置を算出するものである。この精度は高く1cm+基準長の2ppm位である。 その他、ディファレンシャル方式を使ったものもいろいろ開発されている。GPSを使った工事例として、東京横断道路の川崎人工島の構築、羽田空港沖合展開事業の地盤改良工事等がある。 また、グラブ船でGPSをジャイロコンパスと組み合わせた船位管理システムやサンドコンパクション船等の位置決めを行うシステムが開発されている。最近設立された海上DGPS利用推進協議会は、リアルタイムキネマティックシステムを全国的な規模で展開するため、全国5地区で基準局を設置することにしている。グラブ船で使った事例を図-3.2.7、ケーソン据付管理システムに利用した例を図-3.2.8に示す。
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